下関の文化財建造物と日本遺産(Japan Heritage)関門“ノスタルジック”海峡。
建築設計事務所として日々設計を行い、そして建物を造ることは
常に時間軸という大きな流れのを考えます。
建築は竣工(新築)した時よりエイジング(経年劣化)が始まり、時間軸という大きな流れのなかで 時には色づき味わいを増し、時には腐朽するために手を加え、時にはコンバージョン(用途変更)や リノベーション(新たな価値)を求めます。
建物の歴史とは思い出であり、その街の景観であり、そして文化となる。
その歴史を味わい深く巡ったin下関の巻です。
まずは関門海峡を見下ろす唐戸の丘の上に建つ藤原義江記念館。
リートフェルトのシュレーダー邸のようなファサードが、往来する船舶の影と対岸の山並みに 歌と恋に生きた藤原義江に「漂泊者のアリア」を感じました。
英国領事館を経て秋田商会へ。
ル・コルビュジェの屋上庭園より歴史が深いその庭園に建つ茶室。
我が商船が関門海峡を往来するのを茶室より眺めたというロマン。
そして山口銀行旧本店。
百十銀行として財を成したその銀行の地下に以前は日本銀行があった歴史。
屋上から見る関門海峡に戦前戦後のノスタルジックを感じるひと時でした。