月に一度のスクーリング。
建築病理学を礎とした【住宅医】として認定されるため
約1年間勉強しております。
9月度は シロアリと腐朽菌 が主たる講義の内容でした。
シロアリ。
今まで何度となく、既存住宅のリノベーション相談やリフォームの依頼が
あった際に目にしてきた問題。
木材(柱や梁の構造材)に小さな孔や線状の孔。繊維がボロボロになっていれば
「あぁー。シロアリにやられてますね~。」なんぞと言っていたこと。
目から鱗が落ちるとはよく言ったもので、今までの発言が間違っていたと
この講義で反省ひとしきりでした。
日本に生息するシロアリは約20種類あり、その中でも4種のシロアリが
木材をイワシてる。
蟻道(ギドウ)を作って家に侵入するシロアリもいれば、
飛んでくるシロアリいて。
縦横無尽に木を食べちゃったものはシロアリでなく、カミキリムシであったり。
小さな孔があいてるものは、これまたシロアリでなく、シバンムシであったり。
とにかく学習。面白いほど頭の中に入ってきます。
続いて、木材の繊維方向に朽ちているものは褐色腐朽菌で。
繊維方向と直角に朽ちているものは白色腐朽菌で。
これまたシロアリ被害でなく、腐朽菌(ふきゅうきん)被害。
@いわゆるひとつの菌です
変わって、住宅評論家の南雄三氏の住宅資産ガイダンス。
日本の木造住宅は減価償却が約20年(22年)で資産価値がゼロとなる社会。
@実際は35年ローンの借り入れするので税制上は20以降は数パーセントの資産価値あります。
35年返済の住宅ローンを借りていれば、タダになった家に住んでローンだけ払い続けている状態です。
@いわゆる純負債
かたや、アメリカやヨーロッパ。
新築で建てた後、どんどん資産価値があがり、80年~100年以上の住宅でも
上昇します。
ローンの残高より常に家の価値の方が上にあって、その差は純資産となります。
この差。
いわゆる、大手ハウスメーカーやパワービルダー。工務店で
家を建ててしまう社会だとこの先100年経っても
日本の住宅資産価値は変わらない。。。
このねじれた日本の社会構造基盤を変えるために、
建築家が建築(住宅)という文化を再構築するという
アクションを起こすことが重要だと再認識しました。
曇天の空だけれども澄み切って対岸の門司が見える関門海峡。
建てた後で資産価値が上昇する建築(住宅)。
もやもやしてた頭が少しクリアに。