機微

世間では年度末と云われるこの2月、3月。
また一つの建築の引き渡しを終えました。

現場に行って歩き回ればいろいろな事が分かります。
生き生きしている仕事をしている職人さん。意図を読み取り提案してくる監督さん。
設計はある意味1人仕事なところがありますが、建築を造るという仕事は集大成なんですよね。

日々のルーティンである建築散策。
今年は南九州を攻めてみようと思い早速宮崎県へ。

まずは大御所からだねと、丹下健三の九州唯一の作品“日南市文化センター”を見学。

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隣接する公園の芝生広場から見るそのファサードはよく解らんが、緑地のおかげかなんだか心地良い。
ぐるっと一周してみても、中に入ってみても垂直の壁がない。
1962年竣工だから今から53年前、この時代の丹下さんは結構この手の建築が確かに多い。
土着的な風土や環境から建築を構成しない方であったが、日南海岸の波状岩をモチーフにしたらしい。

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漏斗開口がコルビュジェのように美しく、また陰影が素晴らしい。

そういえば敬愛して止まなかった学生時代に訪れたコルビュジェのサヴォア邸。
今、考えると元々きれいな緑に囲まれている環境なのにピロティーでわざわざ浮遊させ
寒々しい屋上庭園を作って“自然と一体に住む”と言っていることに今は疑問を感じる。

クライアントから訴えられ、友達のアインシュタイン君を引っ張り出し
“天才のアインシュタインが褒めている”と機嫌を取っていたのもあながちウソではないかもしれん。

「動的平衡」がまさにそうであれば、考えも感じ方も、生きかたも日々変わってゆく。
大事なことは身体で聞くこと。
今日現在の感じかたです。

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