「県指定重要文化財」の次は「国指定重要文化財」の巻。
山口県防府市の防府平野に張り出した多々良山の南麓にある山旧毛利家本邸。
旧長洲藩主の毛利宗家が家憲に定めた常住の地として1916年(大正5年)に完成したもので
現在保存修理工事中の画像堂は1918年(大正7年)に建設されました。
画像堂とはその名の通り、歴代毛利家の画像(肖像画)を配された建物で
経年劣化による漏水・破汚損、また耐震補強のためにて令和元年度7月から修理工事が着工し、令和2年10月に竣工を迎える
た現場を見学しました。
屋根瓦を拭き替えるため、覆い堂のように工事仮設にすっぽりと包まれた画像堂。
外陣(げじん)内からみる内陣(ないじん)。
内陣にある仮設足場を上がり、手の届く距離で見る格天井はまさに壮大な格式!
ここに歴代毛利家当主の肖像画が並びます。
覆い堂のような外部足場からみた宝形(ほうぎょう)造形式の屋根
上層屋根は本瓦(ほんがわら)葺きであり、下層屋根は平瓦(ひらがわら)葺き。 @桟瓦葺きとも言います
桟瓦は丸瓦と平瓦が一体となっているのが特徴で
約1万枚あった瓦の状態を全数確認し、再び使用できる瓦は含侵(がんしん)処理を行った上、再利用します。
瓦下地は杉皮であり、漆黒に輝く降り棟(くだりむね)と稚児棟(ちごむね)。
正面の桟唐戸上部にある破風にハートを発見!
これはハッピーなことがきっと起こるに違いない☆
設計監理の文建協(文化財建造物保存技術協会)さんと施工者の協和建設工業さんの
熱い情熱と技術力に感動しました。
終わりに、今この時にしか見ることの出来ない足場からみる保存修理の状況。
動画
内陣奥の扉に祀られている毛利元就の木像。
きっと完成をハッピーな心で待ち望んでいるに違いない。