中国の欧陽修という人が良い考えが生まれやすい状況を「三上」と云ったそうな。
「馬上」
「沈上」
「厠上」
この3つを三上とする、と。
「馬上(ばじょう)」とは、現在では通勤電車の中。或いは車の中である。
通勤や往訪(帰路)の車中にぼんやりと考えるときに良い考えが生まれる。
@運転中はぼんやり危険だが…。
「沈上(ちんじょう)」とは、ベッドの枕のこと。
床に入る前は、くよくよ悩んでいたことも、ぐっすり寝ればあくる朝には考えが落ち着いて解決しているもので無意識に眠っている間だからこそ、悩んでいたことを忘れられ、解決方法へと導くことが多々ある。
「厠上(しじょう)」とは呼んで字のごとくトイレの中。
新聞をトイレに持ち入る方も多々あるというが、私はトイレに本棚がある。
狭く一人きりになれる空間であるからこそ集中できる時間である。
@コンコンとノックされない時間帯も大事
想い描いたものがカタチへと昇華する建築。
その現場を確認する作業にこそ、また新しい良い考えが生まれるものである。
完成をイメージしながら確認する。
屋根の上にも上がってみる。
すると、新しい考えが浮かぶ。
ここをこーすればもっと良いのではないか、と。
現場監督に注文を付ける。
なかなか対応が難しいのである。