その2から建築探訪。
雨模様の天気ではあるが、雨だからこそ見えてくる建築の風情もある。
まずは、サンポービル。
設計:有建築研究所
広島市内繁華街、本通り商店街から1本裏筋に面するRC造7階建てのビル。
前面道路より4mセットバックした部分を緑化したオープンテラスにしており
街へと開く趣向は、街へと溶け込む意図へ変換されている。
続いて、キャラントサンク。
設計:三分一博志建築設計事務所
こちらも本通り商店街沿いに所在する開放性の高いテラスと
それを覆う屋根が特徴的な建築である。
1階の奥まった部分より中庭を介して上階へアプローチする空間構成で
かつて懐石料理店があったその場所性を継承している。
ここからは多層建築。いわゆるビルディングです。
ひろぎんHD本社ビル。
設計:日建設計
広島県を代表する第一地銀の本社ビルです。
銀行という閉鎖的な用途を解放するため、1階を街に開放されたイベント空間として
街の賑わい形成を図るとともに、西側(電車通り)から東側へと通り抜けが可能な公共性の高い
空間構成と、ファサードは旧建物の柱頭がモニュメントとして保存されている。
続いて、広島へ来る人は一度は訪れたことがある
おりづるタワー。
設計:三分一博志建築設計事務所
原爆ドームに隣接するビルをMATSUDAが購入し
観光施設とオフィスビルの複合ビルとしてリノベーションした建築である。
広島市内を一望できる屋上テラスは何度訪れても素晴らしく
竣工した2016年より随分と折鶴が堆積してきたことが、平和への願いの集積と言えよう。
おりづるタワーの対面にある旧広島市民球場跡地に所在する
広島ゲートパーク。
身近で親しみやすい、みんなの居場所であり過ごし方の寄り添うコンセプト。
広島中工場から原爆ドーム、そして元町高層アパートメントへと続く丹下ライン(軸線)を
活かした(守った)公共的オープンスペースである。
そして、エディオンピースウイング広島へ。
日本で初めての都心交流型スタジアムパークとして建設されたスタジアムは
周辺の広島ゲートパーク、グリーンアリーナと共に、未来へと繋ぐ広島市の意気込みを感じた。